2020.09.24

新型コロナで変化した全員在宅勤務という新しい働き方

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株式会社 KDDI ウェブコミュニケーションズでは、2020年9月現在、約200名の社員(契約・派遣を含む)が完全在宅勤務をしています。約半年前にオフィスで仕事をしていた時も、テレワークを使って自宅で仕事をしていましたが、全社員が半年以上も完全在宅で仕事をするのは、初めての経験です。

このページでは、完全在宅勤務を続けている現在の状況、長期の在宅勤務へ移行するにあたって実施したこと、当社として今後の働き方はどうなっていくのかなどについてご紹介します。

在宅勤務開始から半年経過した現在

今年2月下旬、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響により、オフィス出社中心の勤務体制から在宅勤務体制に移行し始めました。それまでは、オフィスでの業務を中心として、会議がない日など出社する必要がない日は、テレワークで自宅で仕事をするというワークスタイルが浸透していました。

基本的にはオフィスでの業務だったので、会議や会話は対面で行うことが多く、オフィスもコミュニケーションを取りやすくすることを前提に設計されていたので、オフィスのあちらこちらから会話が聞こえていました。 

以前は全社会議もこのように集まって行っていました

▲以前は全社会議もこのように集まって行っていました

完全在宅勤務への移行を開始した頃は、慣れたオフィスの方が仕事がしやすいという社員も多く、混雑している時間を避け出社している社員もいましたが、元々テレワークやフルフレックスが浸透していたこともあり、業務を急に止めるなど大きな混乱はなく完全在宅勤務へ移行しており、今では約95%の社員が完全在宅勤務で仕事をしています。

一部の出社している社員も毎日出社しているわけではなく、郵便物の振り分けや押印業務など、出社しなくてはできない業務がある時に出社をしています。押印業務については、約半数以上が電子化に移行が完了しており、今後はより出社する機会は少なっていく予定です。

また、これまでオフィスで集まって行っていた全社会議もオンラインで行っています。オンラインの方が話も聴きやすく、資料も見やすいので、オンラインでの全社会議は好評です。

現在のオフィス。ほとんどの社員が在宅で仕事をしているためガランとしています

▲現在のオフィス。ほとんどの社員が在宅で仕事をしているためガランとしています

しかしその一方で、一部の社員からは会社に行けば雑談や他部署の会議を聞くことで、なんとなく把握できていた社内の状況がわかりにくくなったという声があり、オンラインになったことで社内のコミュニケーションを中心に難しくなりました。

多くの企業が感じている在宅勤務にしたことで、どうしても生じてしまう大きな課題の一つなのではないでしょうか。

長期の在宅勤務への対応

職場が自宅に移ったことによる新たな仕事環境の整備についてや、滞ってしまいがちな社内コミュニケーションを円滑にするための取り組みなど、環境の変化に合わせて様々な対応を行なっています。

仕事環境整備のために5万5千円、夏の電気代に3万円を支給

在宅勤務を開始して、まず社員から困ったという声があったのが、自宅での仕事環境でした。今までは、自宅でのテレワークと言っても、連続しても数日間程度だったので、ダイニングテーブルなどで仕事をしていてもそこまで不便さは感じませんでした。しかし、数ヶ月に渡ってくるとデスクや椅子はしっかりしたものでないと、腰痛や肩こりなど体に不調が出てきました。

最初の頃はダイニングテーブルで仕事をしていました

▲最初の頃はダイニングテーブルで仕事をしていました

今後、より長期に渡る可能性があることも考え、自宅での仕事環境を整えられるように会社から5万5千円が支給されました。何に使ったかなどの用途の申告は必要ないので、社員一人ひとりが実際何に使ったかはわかりませんが、中にはきっちり使い切った社員もいました。

また、今年もエアコンを使わないと熱中症になる危険性があるほどの猛暑日が続き、どうしても電気代が高くなってしまう7月、8月、9月の夏季期間の電気代として1ヶ月に1万円という計算で3万円支給されました。

自分の好みの椅子やデスクを購入し、仕事環境を整備しました

▲自分の好みの椅子やデスクを購入し、仕事環境を整備しました

10月から毎月の通勤費支給を一旦停止、在宅勤務手当として毎月1万円を支給

10月以降も在宅勤務体制を継続することが決まり、オフィスに出社する機会がかなり少なくなっているため、毎月支給されていた通勤費を一旦停止します。その代わりに在宅で仕事をするために必要な経費代として、在宅勤務手当として毎月1万円を支給します。オフィスに出社する際の交通費はその都度実費精算で対応していきます。

今後も変化していく働き方に合わせて制度を変更していくので、この制度は年度内まで継続し、その先については都度考えていきます。

子供を預けられない家庭はみなし勤務OK

緊急事態宣言が発令された際に、保育園などの休園・受入制限より子供を預けることができなくなった社員に関しては、勤務時間が規定勤務時間を割り込んだとしても容認していました。

例えば、子育てが一段落した深夜勤務などで仕事をする必要はなく、勤務可能な時間ができたら合間で1日1時間でも働ければOKというものです。もちろん、子どもが会議に参加していても構いません。出来なかった業務については上司と相談してカバーします。現在もこの対応が必要な社員においては、継続して容認していきます。

社内コミュニケーション活性化のための動画配信

長期の在宅勤務が続くと、想定していた以上に他部署とのコミュニケーションが不足しました。今までは、オフィスに行けば誰かと雑談したり、他部署のミーティングを覗いたり(オープンスペースでミーティングをするので、だれでも参加可能でした)、社内のお知らせなどが流れているサイネージを見たりすることで、自然と社内の情報を得ていました。しかし、全員がテレワークをしている状態だと、情報を自分から取りにいかないと得ることができなくなってしまい、取りに行こうと思うきっかけとなる情報すら耳に入ることがなくなってしまいました。

このサイネージで社内の情報やお知らせを流していました

▲このサイネージで社内の情報やお知らせを流していました

そこで、少しでも会社で起きていることを把握できるように、各部署での動きやお知らせなどの情報を集めた動画配信をはじめました。

各事業部で行なっている施策から健康診断の予約や会計基準についてまで、あらゆる社内での情報をまとめたニュース番組のようなもので、休憩時間や仕事の息抜きに気軽に見ることができる10分程度の動画です。

これ以外にも、新入社員の紹介など、カジュアルな内容のものもあり、様々な角度から社内の情報を得ることができるようにしています。

社内配信動画「ラジ広報」といいます

▲社内配信動画「ラジ広報」といいます

中には、オフィスにいる時よりも社内の動きを確認できるようになったという社員もおり、一定の効果はあることを実感しているので、新しい社内広報のツールとして、今後も続けていく予定です。

健康経営プロジェクト

「社員の心身の健康は仕事の効率と業績に連動する!」という考えのもとに、健康経営プロジェクトというものが社員の有志グループにより2019年10月に立ち上がりました。

新型コロナウィルス感染症が拡大する前は、オフィスに専門の先生を呼んで体の歪みを直す指導をしてもらったり、野菜をふんだんに使った朝ごはんが食べられるイベントを行っていました。

朝ベジという野菜を中心とした朝ごはんが食べられるイベント。健康的で美味しい朝ごはんが食べられるので社員にも好評でした
朝ベジという野菜を中心とした朝ごはんが食べられるイベント。健康的で美味しい朝ごはんが食べられるので社員にも好評でした

▲朝ベジという野菜を中心とした朝ごはんが食べられるイベント。健康的で美味しい朝ごはんが食べられるので社員にも好評でした

現在はオフィスに行く機会がほぼなくなったため、これらのプロジェクトは全てオンラインに切り替えて行っています。

内容も在宅勤務による目の疲れや肩こりに効くマッサージ講座や、簡単薬膳講座など、在宅勤務で健康的に仕事するための講座に切り替わっています。

在宅勤務による目の疲れや肩こりに効くマッサージ講座。鍼灸の先生が実際にマッサージの方法を教えてくれます

▲在宅勤務による目の疲れや肩こりに効くマッサージ講座。鍼灸の先生が実際にマッサージの方法を教えてくれます

全てオンラインでの採用活動

採用活動も、説明会から面接まで全てオンラインに切り替えています。

会社説明会はオンラインで行うことで、人数制限がなくなり、遠方の希望者も気軽に参加してもらえるようになりました。また、今まではオンラインでの面接は遠方からの希望者がメインでしたが、現在は全員オンラインでの面接になっています。

社内勉強会補助制度がオンラインにも対応

社員が立ち上げた勉強会の軽食等の費用を会社が負担する、社内勉強会補助制度というものがあります。オフィス出社をしていた頃は、業務後に会議室に集まり、みんなで食事をしながら勉強会をすることができるためよく利用されていました。

しかし、今まではオフィスで実施することを前提としていたため、経費の精算ができるのは代表者のみ、場所は社内会議室のみ、というオンラインではどうしても実施が難しい条件がありました。

在宅勤務が長く続く中で、社員からオンラインでも社内勉強会制度を利用したいという声があったため、個々による精算可能、実施場所は外部会議室でもオンラインでも問わないという条件に変更し、オンラインでも気軽に社内勉強会ができるようになりました。4人以上であれば、少人数も開催可能です。

テレワークはいつまで続く?

この状態はいつまで続くのか、今後はどうしていくのか、社長の山崎に聞きました。

今後の在宅勤務はどうしていく予定?

世間でもリモートワーク(テレワーク)でも仕事ができるということが証明されてきていて、おそらくリモートワーク自体は半永久的に続いていくし、こういう状況での対処みたいな形のリモートワークではなくて、拡大していくものだと思っています。

当社としての今後の予定をはっきり決めているわけではないですが、もっと世の中に貢献するためには、リモートワークをもっと積極的に活用して、日本全国・世界中から人材を採用するとか、色々な地域と関われる仕事の仕方にして行く必要があるんだろうなと思っています。単純にリモートワークを続けるというよりも会社の拡大のために、よりリモートで働きやすい環境を考えながら、戦略的に拡大していけるといいなと思ってますね。

オフィス自体は無くす?

無くしはしませんが、オフィスという大きな空間にみんなが一律で出勤するという残り方はしないと思いますね。リモートワークが拡大したからといって、必ずしも全ての仕事が家で出来ないですし、会社の設備を使ってやりたいことも当然あるので、オフィスという空間は絶対にゼロにはならないと思っています。集まりたいときに集まれる場所として必要だと思っているので、詳しいことは決まっていませんが、自宅以外にも働く拠点が持てるように使いたいなと思いますね。

今までは、オフィスがあっての代替手段としてリモートワークが存在していましたが、そうではなく目的を持ってオフィスを使うみたいな、そんな感じだろうなと思います。 

これからのオフィスの使い方は?

印刷や郵便物の対応など、そういう業務での出社ではなくて、出社してやったほうがより良くなることを想定しています。例えば、動画撮影や、大きなスクリーンを見ながらのミーティング等ですかね。まだどんな用途があるのかわからないですが、少なくとも今までのオフィスとは役割が変わるので、環境の変化によって新しく出来た仕事に対応できるようにオフィスの形は変えようと思っています。席数を減らすとか減らさないとかではなく、全部打合せスペースみたいなのが良いのかもしれないし、逆に在宅だと作りにくい閉鎖空間をオフィスに作る可能性もあります。オフィスにある設備を使って仕事をすることで新しい何かが生まれて、何かやる時はオフィスにいこうみたいなのが編み出されていけばいいなと思っています。

初めての長期の在宅勤務を経験し、今までとは全く違う完全オンラインで仕事をしてきました。オフィスに行かなくても仕事ができること、毎日の通勤がなくなることを有意義に感じ、テレワークの良さを実感する一方で、コミュニケーションの取りにくさ、人と繋がることの重要さをあたらめて実感しました。この大きな変化を前向きに捉え、今までとは違った新しい働き方改革をこれからもしていきます。

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〒107-0062 東京都港区南青山2-26-1 D-LIFEPLACE南青山10階

広報担当 川上/前田

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